一般的にトランス脂肪酸を多く含む食品
市販の加工食品の中には、製造過程でトランス脂肪酸が生成されるものが多く存在します。特にマーガリンやショートニングを使用した食品では、含有量が比較的高くなる傾向にあります。ファストフード店のフライドポテトやハンバーガー、市販のドーナツやパイ類は要注意です。
また、スナック菓子やクッキー、クラッカーなどの焼き菓子類にも使用されることが多く、これらの食品を頻繁に摂取する場合は注意が必要です。さらに、コーヒーフレッシュや粉末状のクリーミングパウダーにも含まれることがあります。即席ラーメンなどのインスタント食品や、一部の調理済み食品にも使用されている場合があります。
自然由来のトランス脂肪酸を含む食品
自然由来のトランス脂肪酸は、牛や羊などの反芻動物の胃内で細菌により生成されます。そのため、牛乳や乳製品（チーズ、バター、ヨーグルトなど）、牛肉や羊肉にも少量含まれています。
ただし、これらの食品に含まれるトランス脂肪酸は、工業的に生成されるものとは異なり、健康への悪影響は比較的少ないとされています。むしろ、これらの食品には必要な栄養素が豊富に含まれているため、バランスの取れた食生活の一部として適度に摂取することが推奨されています。
トランス脂肪酸を含まない、または低含有の食品
植物性油脂を原料とする食用油の多くは、精製過程でトランス脂肪酸の生成を最小限に抑えています。特にオリーブオイル、なたね油、こめ油などの液体油は、常温で使用する限りトランス脂肪酸をほとんど含みません。
また、ナッツ類や種子類、アボカドなどの自然な脂肪源も、トランス脂肪酸を含まない良質な脂肪の供給源となります。近年では、多くの食品メーカーがトランス脂肪酸フリーの製品を開発しており、パンやお菓子類でもトランス脂肪酸を含まない、または低含有の商品が増えています。
健康的な食品選択のためのアドバイス
トランス脂肪酸の摂取を減らすためには、食品表示を確認することが重要です。原材料表示で「水素添加油脂」や「部分水素添加油脂」という表記がある場合は、トランス脂肪酸が含まれている可能性が高いことを示しています。また、「植物性油脂」という表記だけでは、その油脂がトランス脂肪酸を含むかどうかは判断できないため、製造者に確認することをお勧めします。
できるだけ自然な形の食材を選び、家庭で調理する機会を増やすことで、トランス脂肪酸の摂取を制限することができます。外食や加工食品を利用する際は、各企業や店舗が公開している栄養成分情報を参考にすることで、より賢い食品選択が可能になります。特に子供のおやつや学校給食などでは、トランス脂肪酸の含有量に注意を払い、できるだけ自然な食材を使用した手作りのおやつを選ぶことが望ましいでしょう。
