申請前の事前準備と必要書類の収集

アルバニアのデジタルノマドビザ申請を成功させるためには、綿密な事前準備が不可欠です。まず最初に、アルバニア政府の公式ポータルサイト「e-Albania」にアカウントを作成する必要があります。このプラットフォームは、ビザ申請の全プロセスをオンラインで管理するために使用されます。アカウント作成時には、有効なメールアドレスと携帯電話番号が必要となり、二段階認証の設定も求められます。
必要書類の収集は、申請プロセスの中で最も時間がかかる部分です。すべての書類は英語またはアルバニア語での提出が必要となるため、日本語の公的書類は認定翻訳者による翻訳が必要です。特に重要な書類については、アポスティーユ認証を取得することが推奨されています。書類の有効期限にも注意が必要で、多くの書類は発行から3か月以内のものが求められます。
書類準備の段階では、デジタル化も重要な作業となります。すべての書類はPDF形式でスキャンし、ファイルサイズは各書類につき2MB以下に抑える必要があります。カラースキャンが推奨されており、特にパスポートや証明写真は高解像度でスキャンすることが重要です。ファイル名は英語で分かりやすく設定し、後の申請プロセスで混乱を避けるよう整理しておくことが推奨されます。
主要な必要書類とその取得方法

アルバニアのデジタルノマドビザ申請に必要な主要書類は、大きく分けて身分証明、収入証明、保険関連、居住証明の4つのカテゴリーに分類されます。パスポートは、申請時点で最低6か月以上の有効期限が必要で、見開き2ページ以上の空白ページがあることが条件となります。パスポートの全ページ(空白ページを含む)をスキャンし、PDFファイルとして準備します。
収入証明書類としては、過去6か月分の銀行取引明細書が基本となります。日本の銀行から英文での明細書を発行してもらうか、日本語の明細書を認定翻訳者に翻訳してもらう必要があります。フリーランサーの場合は、クライアントとの契約書、請求書、支払い証明書なども追加で提出します。会社員の場合は、雇用契約書と給与明細書、在職証明書が必要となります。これらの書類は、すべて会社の公印が押されたものでなければなりません。
無犯罪証明書は、日本の警察署で申請できます。申請から発行まで通常2週間程度かかり、発行後は外務省でアポスティーユ認証を受ける必要があります。健康診断書も必要で、特定の感染症に関する検査結果を含む必要があります。指定のフォーマットはありませんが、医師の署名と医療機関の印鑑が必要です。この書類も英語での作成または翻訳が必要となります。
居住証明としては、アルバニアでの宿泊先を証明する書類が必要です。ホテルの予約確認書、Airbnbの予約証明、または賃貸契約書のいずれかを提出します。長期滞在を予定している場合でも、最初の1〜2か月分の宿泊証明で申請可能です。デジタルノマド向けのコワーキングスペースからの利用証明書も、補完的な書類として提出できる場合があります。
オンライン申請システムでの手続き

e-Albaniaポータルでのオンライン申請は、すべての必要書類が揃った後に開始します。ログイン後、「Unique Permit for Digital Nomads」のセクションを選択し、申請フォームの記入を始めます。フォームは複数のセクションに分かれており、個人情報、職業情報、滞在計画、緊急連絡先などを詳細に記入する必要があります。記入は英語で行い、すべての項目を正確に入力することが重要です。
各セクションの記入が完了したら、準備した書類をアップロードします。システムは各書類のアップロード状況を表示し、ファイルサイズやフォーマットが要件を満たしているかを自動的にチェックします。アップロードエラーが発生した場合は、ファイルサイズを調整するか、別のブラウザで試すことをお勧めします。すべての書類のアップロードが完了すると、申請内容の最終確認画面が表示されます。
申請料の支払いは、オンラインで行います。クレジットカードまたはデビットカードでの支払いが可能で、支払い完了後に領収書がメールで送付されます。この領収書は重要な書類として保管し、後の手続きで必要になる場合があります。支払いが完了すると、申請番号が発行され、この番号を使って申請状況を追跡できるようになります。
申請提出後は、メールでの連絡を定期的にチェックすることが重要です。追加書類の要求や面接の案内などが送られてくることがあります。通常、初回審査には2〜3週間かかりますが、繁忙期にはさらに時間がかかる可能性があります。この期間中、e-Albaniaポータルで申請状況を確認でき、進捗状況が更新されます。
ビザ承認後の手続きと入国準備

ビザ申請が承認されると、承認通知がメールで送付されます。この通知には、ビザ発給に関する詳細な指示が含まれています。アルバニアのデジタルノマドビザは、電子ビザ(e-Visa)として発行されるため、物理的なビザステッカーは必要ありません。承認通知と共に送付されるPDFファイルを印刷し、入国時に提示する必要があります。
入国前の準備として、承認されたビザ文書、パスポート、収入証明書、健康保険証明書、宿泊予約確認書などの原本またはコピーを用意しておくことが重要です。これらの書類は、入国審査時に提示を求められる可能性があります。また、アルバニア到着後30日以内に居住許可証の申請を行う必要があるため、そのための書類も事前に準備しておくことが推奨されます。
アルバニア入国時は、デジタルノマドビザ保持者専用のレーンはないため、通常の入国審査を受けることになります。入国審査官にデジタルノマドビザで入国することを伝え、必要書類を提示します。審査官によっては、滞在目的や仕事内容について質問されることがあるため、簡潔に説明できるよう準備しておくことが重要です。
入国後の最重要事項は、30日以内に最寄りの移民局で居住許可証(Residence Permit)の申請を行うことです。この手続きには、ビザ承認書類、パスポート、証明写真、現地での住所証明が必要となります。居住許可証は、アルバニアでの長期滞在を合法的に行うための重要な書類となるため、期限内に確実に申請を完了させることが必要です。申請後、生体認証データの登録も行われ、約2〜3週間で居住許可証カードが発行されます。