モンテネグロのデジタルノマドビザ:取得方法と基本情報 - HAPIVERI

モンテネグロのデジタルノマドビザ:取得方法と基本情報

モンテネグロが提供するデジタルノマドビザの魅力

モンテネグロが提供するデジタルノマドビザの魅力

アドリア海の宝石と称されるモンテネグロは、近年デジタルノマドたちの間で注目を集めている新興の移住先です。2023年に導入されたデジタルノマドビザプログラムにより、リモートワーカーや場所に縛られない働き方をする人々に対して、従来の観光ビザよりも長期滞在できる選択肢を提供しています。モンテネグロが選ばれる理由は単に美しい自然環境だけではありません。ヨーロッパの中でも比較的低コストな生活費、高速インターネット環境の整備、そして英語が比較的通じやすい環境など、デジタルノマドにとって魅力的な条件が揃っています。

モンテネグロのデジタルノマドビザは正式には「デジタルノマド居住許可」と呼ばれ、最大2年間の滞在が認められています。これは従来の90日間の観光ビザと比較すると、大幅に長期の滞在が可能になったことを意味します。また、モンテネグロはEU加盟候補国であり、将来的にはEU加盟が見込まれていることから、ヨーロッパでの長期的な拠点として検討する価値があります。

このビザの最大の特徴は、取得条件が他のヨーロッパ諸国と比較して緩やかである点です。必要な月収額も比較的低く設定されており、デジタルノマドとしてのキャリアをスタートしたばかりの方や、フリーランスとして安定した収入基盤を構築中の方にとっても、現実的な選択肢となっています。さらに、モンテネグロは非EU国でありながらもユーロを公式通貨として採用しており、金融面での安定性も魅力の一つです。

モンテネグロ政府がこのプログラムを積極的に推進している背景には、国内経済の多様化と外国からの投資の促進という狙いがあります。COVID-19パンデミック後の観光業に依存しない新たな経済モデルの構築を目指しており、デジタルノマドは単なる長期滞在者以上の存在として歓迎されています。

デジタルノマドビザの申請条件と必要書類

デジタルノマドビザの申請条件と必要書類

モンテネグロのデジタルノマドビザを申請するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。まず基本的な要件として、申請者は海外の企業との雇用契約を持っているか、フリーランスとして十分な収入を得ていることを証明しなければなりません。具体的には、月額800ユーロ以上の安定した収入があることが求められます。これは他の欧州諸国のデジタルノマドビザと比較すると、かなり手頃な金額に設定されています。

申請に必要な書類としては、有効なパスポート(滞在予定期間に加えて少なくとも3ヶ月の有効期限があること)、健康保険の証明書(モンテネグロ国内での医療費をカバーするもの)、犯罪経歴証明書(自国の警察から取得したもの)、そして先述の収入証明が挙げられます。収入証明としては、雇用契約書、過去3ヶ月分の銀行取引明細書、確定申告書類などが有効です。

また、モンテネグロでの滞在先を証明する書類も必要となります。これには賃貸契約書や宿泊施設の予約確認書が該当します。短期間の宿泊予約でも申請は可能ですが、実際のビザ発行後に長期的な住居を確保することが推奨されています。

申請書類はすべてモンテネグロ語に翻訳し、公証を受ける必要があります。これは現地の翻訳サービスを利用することができますが、事前に準備しておくと手続きがスムーズに進みます。申請費用は一般的に150ユーロから200ユーロ程度ですが、このほかに翻訳費用や公証費用が別途発生することを見込んでおく必要があります。

ビザの審査期間は通常2〜4週間程度ですが、繁忙期や書類の不備がある場合はさらに時間がかかることもあります。申請は原則としてモンテネグロ国内で行う必要があり、まずは観光ビザで入国した後に現地の移民局でデジタルノマドビザへの切り替え申請を行うのが一般的な手順です。

申請から取得までの実際のプロセス

申請から取得までの実際のプロセス

モンテネグロのデジタルノマドビザを取得するための実際のプロセスは、事前準備と現地での手続きの2段階に分けられます。まず日本国内で準備すべきことは、前述の必要書類の収集と、可能な範囲での翻訳です。特に犯罪経歴証明書は取得に時間がかかることがあるため、早めに準備を始めることをお勧めします。また、有効な海外旅行保険への加入も必須条件となります。

モンテネグロへの入国後、最初に行うべきことは現地での「白紙住民登録」です。これは滞在先の地方自治体で行う手続きで、モンテネグロ国内での居住地を登録するものです。この手続きには宿泊施設のオーナーや不動産エージェントの協力が必要になることが多いため、事前に相談しておくとスムーズです。

住民登録が完了したら、次はポドゴリツァにある内務省移民局でデジタルノマドビザの申請を行います。ここで全ての必要書類を提出し、申請費用を支払います。担当官との面談が行われることもありますが、これは形式的なものであることが多いです。申請時に指紋採取と写真撮影が行われ、これが居住許可カード(ビザカード)の作成に使用されます。

申請から審査結果が出るまでの間も、観光ビザの範囲内であれば合法的にモンテネグロに滞在することができます。承認の通知を受けたら、再度移民局を訪れて居住許可カードを受け取ります。このカードがデジタルノマドとしてのステータスを証明する公式文書となります。

実際の申請プロセスでは、しばしば予期せぬ障壁に直面することがあります。例えば、担当官によって要求される書類が若干異なることや、オンライン情報と実際の手続きに相違があることなどです。そのため、十分な時間的余裕を持って手続きを進めることと、柔軟な対応を心がけることが重要です。最近では、申請プロセスをサポートする現地のエージェンシーやコンサルタントも増えており、言語の壁に不安がある場合はこうしたサービスを利用することも一つの選択肢です。

デジタルノマドビザ保持者の権利と義務

デジタルノマドビザ保持者の権利と義務

モンテネグロのデジタルノマドビザを取得すると、観光客とは異なる特定の権利と義務が生じます。まず権利面では、最大2年間の合法的な滞在が可能になります。この期間中は自由に国外へ出国し、再入国することができます。ただし、一度に90日以上モンテネグロを離れると、ビザが無効になる可能性があるため注意が必要です。

また、デジタルノマドビザ保持者は公的医療サービスへのアクセス権を持ちません。そのため、包括的な民間医療保険に加入していることが不可欠です。特に緊急医療や入院費用をカバーする保険を選ぶことをお勧めします。モンテネグロの主要都市には質の高い医療施設がありますが、山間部などでは医療アクセスが限られる場合があります。

税金に関しては、モンテネグロのデジタルノマドビザは基本的に税務上の居住権を付与するものではありません。つまり、海外から得た収入に対してモンテネグロでの納税義務は生じません。ただし、183日以上の滞在で税務上の居住者とみなされる可能性もあるため、長期滞在を検討している場合は専門家への相談が推奨されます。日本とモンテネグロの間には現在のところ租税条約が結ばれていないため、二重課税の可能性も考慮する必要があります。

ビザ保持者の義務としては、住所変更があった場合には48時間以内に地方自治体に届け出ることが法律で定められています。また、ビザの有効期限が切れる前に更新申請を行うか、モンテネグロを出国する計画を立てる必要があります。ビザの更新は通常、期限切れの30日前から可能です。

デジタルノマドビザはあくまでも居住許可であり、モンテネグロでの就労許可ではない点に注意が必要です。現地企業に雇用されたり、モンテネグロ国内のクライアントに直接サービスを提供したりすることは認められていません。ビザの条件に違反した場合、罰金や強制退去などのペナルティが科される可能性があります。

ビザの終了時には、滞在期間中の経験やスキルを活かして永住権や市民権への道を探ることも可能です。特に、モンテネグロでビジネスを立ち上げる場合や投資を行う場合には、別の種類のビザへの切り替えオプションが存在します。デジタルノマドビザは、モンテネグロでの長期的な将来を模索するための入り口として機能することもあるのです。

ブログに戻る

関連記事

問い合わせフォーム