アジアの経済大国シンガポールへの移住を考えている方に、ビザと永住権の取得方法をご紹介します。シンガポールは、その高い生活水準と経済的機会から、多くの日本人にとって魅力的な移住先となっています。この記事では、シンガポールで長期滞在するために必要なビザの種類と、永住権取得のプロセスについて解説します。
シンガポールの主なビザ(就労許可証)の種類
シンガポールで働くためには、就労許可証(Work Pass)が必要です。主な種類は以下の通りです:
- エンプロイメント・パス(EP):専門職、管理職、経営者向け
- S パス:中級熟練労働者向け
- ワーク・パーミット:半熟練・非熟練労働者向け
これらのうち、日本人駐在員や専門職の多くはエンプロイメント・パスを取得します。
エンプロイメント・パス(EP)の取得条件
EPの主な取得条件は以下の通りです:
- 月給が最低4,500シンガポールドル以上(業種や経験によって異なる)
- 関連する学位や専門的な資格を保有していること
- 雇用主がシンガポール人材省(MOM)に申請を行うこと
EPの有効期間は最長3年で、更新可能です。
永住権(PR)取得の方法
シンガポールの永住権を取得するには、主に以下の方法があります:
- 専門職・技術者・熟練労働者スキーム(PTS)
- グローバル・インベスター・プログラム(GIP)
- 家族スポンサーシップ・スキーム
日本人の場合、多くはPTSを通じて永住権を申請します。
PTS経由での永住権申請プロセス
- シンガポールで最低6か月以上就労していること
- オンラインで申請書を提出(シンガポール移民・検問所のウェブサイトから)
- 必要書類の準備(パスポート、就労許可証、学位証明書、給与明細など)
- 審査期間(通常3~6か月)
- 結果通知(承認された場合、手続きのための来訪要請がある)
永住権取得の利点
- 就労許可証が不要になる
- 中央積立基金(CPF)への加入が可能になる
- 住宅購入時の制限が緩和される
- 子どもの教育面でのメリットがある(学費や入学優先権など)
- 将来的な市民権取得への道が開ける
注意点
- 永住権の取得は保証されたものではなく、政府の裁量で決定されます。
- 男性の場合、永住権取得後に国民兵役の義務が生じる可能性があります。
- 永住権は定期的に更新する必要があり、長期間シンガポールを離れると失効する可能性があります。
まとめ
シンガポールへの移住を考えている日本人にとって、まずは就労許可証の取得から始め、その後永住権の申請を検討するのが一般的なプロセスです。永住権の取得には一定の条件と時間が必要ですが、取得後はより安定した生活基盤を築くことができます。ただし、永住権の申請や取得には細かい規定や変更点もあるため、最新の情報を確認し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。シンガポールでの新生活が充実したものとなることを願っています。