スウェーデンの滞在許可制度の基本

スウェーデンは、EU加盟国として厳格な入国管理制度を持つ一方で、高度な技術を持つ外国人材を積極的に受け入れる政策を取っています。日本人がスウェーデンに90日以上滞在する場合、滞在許可(Uppehållstillstånd)の取得が必要となります。この滞在許可は、渡航前に母国で申請することが原則とされており、スウェーデン移民庁(Migrationsverket)のウェブサイトを通じてオンライン申請が可能です。申請時には、パスポートのコピー、滞在目的を証明する書類、経済的な自立を示す資料など、複数の書類の提出が求められます。
主な滞在許可の種類と申請要件

スウェーデンの滞在許可は、目的によって大きく分類されます。就労目的の場合、雇用契約書と給与条件を示す書類が必要で、雇用主からの雇用申し出が前提となります。特に、ITエンジニアや研究者などの専門職は、労働市場テストが免除される場合もあり、比較的スムーズな取得が可能です。留学目的の場合は、スウェーデンの教育機関からの入学許可証と、年間約96,000クローナ(約120万円)程度の生活費を証明する資料が必要です。また、スウェーデン人との婚姻による場合は、関係性を証明する書類と、スウェーデン在住パートナーの経済状況を示す資料の提出が求められます。
永住権取得までのプロセス

スウェーデンの永住権(Permanent Uppehållstillstånd)は、通常、同一の理由で4年間の滞在を継続した後に申請することができます。この期間中、一定以上の収入を維持し、納税義務を果たし、犯罪歴がないことが条件となります。2023年7月からは、永住権申請時にスウェーデン語の基礎知識(A2レベル以上)と社会知識の証明も必要となりました。また、就労を理由とする永住権申請では、4年間の滞在期間中に最低24か月の就労実績が求められます。申請は移民庁のウェブサイトから行い、必要書類をオンラインで提出します。審査期間は申請者の状況により異なりますが、通常6か月から1年程度を要します。
申請成功のためのアドバイス

スウェーデンの滞在許可・永住権取得を確実にするためには、入念な準備と計画が不可欠です。まず、申請書類は全て英語もしくはスウェーデン語に翻訳し、必要に応じて公証を受ける必要があります。また、オンライン申請システムでは、一度提出した申請内容の修正が困難なため、事前に必要書類を全て整えてから申請することをお勧めします。滞在中は、確定申告をはじめとする各種手続きを確実に行い、記録を残すことが重要です。さらに、永住権取得を見据えて早期からスウェーデン語の学習を始めることで、言語要件をクリアする準備を整えることができます。地域のSFI(Swedish For Immigrants)コースなどを活用し、計画的に学習を進めることで、スムーズな永住権取得につながるでしょう。