スイス第三の都市バーゼルは、フランス、ドイツとの国境に位置する国際色豊かな街です。製薬産業の世界的中心地として知られ、多くの日本人駐在員やその家族が暮らしています。この記事では、バーゼルへの移住を考える日本人の方々に向けて、現地での生活の実態と魅力をお伝えします。
欧州の十字路:バーゼルの地理的優位性
バーゼルの最大の特徴は、その地理的位置にあります。フランス、ドイツ、スイスの三カ国が接する場所に位置し、欧州の主要都市へのアクセスが抜群です。パリまで約3時間、チューリッヒまで1時間、フランクフルトまで4時間と、週末旅行の選択肢が豊富です。また、バーゼル・ミュールーズ空港は三カ国共同で運営されており、日本への直行便こそないものの、欧州各地への移動が容易です。
高給与と充実した医療体制:生活の質を支える基盤
スイスの中でも特に製薬産業が集中するバーゼルでは、ノバルティスやロシュといった世界的企業が本社を構えています。給与水準は世界でもトップクラスで、高額な生活費を考慮しても、十分な貯蓄が可能です。また、製薬産業の中心地であることから、最先端の医療施設が充実しており、言語面でも英語対応が一般的です。特に、バーゼル大学病院では日本語通訳サービスも提供されており、医療面での不安が少ないのも特徴です。
文化的な暮らしの課題:言語とコミュニティ
バーゼルでの生活における最大の課題は、言語環境です。公用語はドイツ語(より正確にはスイスドイツ語)で、日常生活では英語だけでは限界があります。スーパーマーケットや行政手続きなど、基本的なドイツ語力は必要不可欠です。ただし、バーゼルには日本人会や日本語補習校が存在し、日本人コミュニティのサポート体制は整っています。また、欧州特有の長期休暇やお店の営業時間の制限など、日本とは異なる生活リズムへの適応も必要です。
移住実現への具体的なステップ
バーゼルへの移住を考える場合、まずは就労ビザの取得が必要です。スイスは EU 非加盟国のため、日本人が就労ビザを取得するには、現地企業からの雇用オファーが必須条件となります。また、住居探しは家賃が高額なため、慎重な計画が必要です。特に、人気エリアであるバーゼル市内では、空室物件の競争が激しく、早期からの準備が推奨されます。移住後は、居住許可証の取得や健康保険への加入など、各種手続きが待っていますが、多くの企業が専門のリロケーションサービスを提供しているため、スムーズな移行が可能です。