日本人女性の死因1位となった大腸がん - 知っておくべき事実と対策 - HAPIVERI

日本人女性の死因1位となった大腸がん - 知っておくべき事実と対策

近年、日本人女性の死因の第1位となった大腸がんは、かつては欧米に多いがんとされていましたが、食生活の欧米化や生活習慣の変化とともに日本でも増加傾向にあります。特に女性においては死亡率が高く、早期発見・早期治療の重要性が叫ばれています。この記事では、日本人女性と大腸がんの関係、その原因、予防法、そして検診の重要性について詳しく解説します。

日本人女性と大腸がんの現状

厚生労働省の最新統計によると、日本人女性のがん死亡原因の第1位は大腸がんとなっています。かつては胃がんや肺がんが上位を占めていましたが、食生活の欧米化や高齢化社会の進行とともに、大腸がんの発症率・死亡率が徐々に上昇してきました。特に50歳以上の女性において顕著な増加が見られます。大腸がんは初期には自覚症状がほとんどないため、気づいた時には進行していることも少なくありません。

女性ホルモンとの関連性も指摘されており、閉経後の女性は特にリスクが高まると言われています。また、日本人女性は欧米人女性と比較して、右側結腸(上行結腸や横行結腸)にがんが発生する割合が高いという特徴があります。これらの部位のがんは症状が出にくく、発見が遅れやすいという問題があります。

大腸がん発症の主なリスク要因

大腸がん発症には様々なリスク要因が関わっています。最も大きな要因として挙げられるのが食生活です。高脂肪・高タンパク質の肉中心の食事、加工食品の過剰摂取、食物繊維の摂取不足などが大腸がんのリスクを高めると考えられています。日本人女性の食生活は過去数十年で大きく変化し、伝統的な和食から欧米化した食事へとシフトしました。

また、運動不足や肥満もリスク要因となります。現代社会では、デスクワークが増え、日常的な運動量が減少傾向にあります。これにより腸の蠕動運動が低下し、腸内に有害物質が長時間とどまることで、大腸の粘膜に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、喫煙やアルコールの過剰摂取、ストレスの蓄積なども大腸がんのリスクを高める要因です。加えて、家族歴も重要な要素であり、近親者に大腸がんや大腸ポリープの既往歴がある女性は、そうでない女性と比べてリスクが高まります。

大腸がん予防のための生活習慣改善

大腸がんのリスクを下げるためには、日常生活の見直しが大切です。まず食生活において、野菜や果物などの食物繊維を多く含む食品を積極的に摂取することが推奨されます。食物繊維は腸内環境を整え、有害物質の排出を促進する効果があります。また、加工肉や赤身肉の摂取を控え、魚や大豆製品などの良質なタンパク源を選ぶことも有効です。

適度な運動も大腸がん予防に欠かせません。ウォーキングやヨガ、水泳など、自分に合った運動を週に3回以上、30分程度行うことで、腸の働きを活性化させることができます。適正体重の維持も重要で、肥満は大腸がんのリスクを高めることが知られています。バランスの取れた食事と適度な運動で、健康的な体重を維持しましょう。アルコールの摂取量を控え、禁煙することも大腸がん予防には効果的です。また、発酵食品を摂取して腸内フローラを整えることも、近年注目されている予防法の一つです。ヨーグルトや納豆、キムチなどの発酵食品には、腸内環境を改善する効果があるとされています。

大腸がん早期発見のための検診の重要性

大腸がんは早期発見・早期治療により、治癒率が大幅に向上するがんです。初期症状が少ないため、定期的な検診が非常に重要となります。日本では40歳以上を対象に、便潜血検査による大腸がん検診が推奨されています。この検査は簡単で痛みもなく、便に混じった目に見えない血液を検出するものです。

しかし、検診受診率は依然として低く、特に女性の受診率向上が課題となっています。便潜血検査で陽性反応が出た場合や、家族歴がある場合には、大腸内視鏡検査の受診が勧められます。内視鏡検査ではポリープを発見した場合にはその場で切除することも可能で、がんへの進行を防ぐことができます。近年では、CTコロノグラフィーという、CTスキャンを用いた検査方法も普及しつつあります。

大腸がんは進行すると、腹痛や便通異常、下血などの症状が現れますが、こうした症状が出てからでは進行している可能性が高いため、症状がなくても定期的な検診を受けることが大切です。日本人女性の健康寿命を延ばすためにも、大腸がん検診の重要性を認識し、積極的に検診を受けるよう心がけましょう。

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