経皮毒について知っておくべきこと 〜皮膚から体内に入る有害物質〜 - HAPIVERI

経皮毒について知っておくべきこと 〜皮膚から体内に入る有害物質〜

私たちの体の中で最大の臓器である皮膚。この皮膚を通して体内に侵入する有害物質による中毒を「経皮毒」と呼びます。近年、化学物質の多様化に伴い、経皮毒への関心が高まっています。今回は、経皮毒について詳しく解説します。

経皮毒のメカニズム

経皮毒のメカニズム

経皮毒は、皮膚に付着した有害物質が角質層を通過し、真皮層の毛細血管に到達することで発生します。特に脂溶性の物質は皮膚を通過しやすく、水溶性の物質に比べて経皮吸収されやすい傾向にあります。

また、皮膚の状態(傷や炎症の有無)、温度、湿度などの環境要因によっても、吸収率は大きく変化します。汗をかいている状態や、皮膚が濡れている状態では、通常よりも吸収されやすくなることが知られています。

代表的な経皮毒性物質

代表的な経皮毒性物質

農薬や殺虫剤に含まれる有機リン系化合物は、代表的な経皮毒性物質です。これらは神経系に作用し、重度の場合は呼吸困難や意識障害を引き起こす可能性があります。

また、工業用の有機溶剤(ベンゼンやトルエンなど)も皮膚から吸収されやすく、長期的な曝露は深刻な健康被害をもたらす可能性があります。家庭用品では、一部の洗剤や漂白剤に含まれる化学物質も、経皮毒性を持つことがあります。

予防と対策

予防と対策

経皮毒を防ぐための最も重要な対策は、適切な保護具の使用です。化学物質を扱う際は、その物質に適した保護手袋を着用することが不可欠です。また、長袖・長ズボンの着用や、必要に応じて防護服の使用も重要です。皮膚に化学物質が付着した場合は、速やかに大量の水で洗い流すことが推奨されます。特に有機溶剤が付着した場合は、石鹸を使用せず、水だけで洗い流すことが重要です。

経皮毒による症状と対応

経皮毒による症状と対応

経皮毒による症状は、軽度な場合は皮膚の発赤や痒み、炎症などの局所症状から始まります。重度の場合は、吐き気、めまい、頭痛などの全身症状が現れることがあります。特に有機リン系化合物による中毒では、縮瞳、唾液分泌過多、筋肉の痙攣などの特徴的な症状が現れます。これらの症状が現れた場合は、ただちに医療機関を受診する必要があります。医療機関では、原因物質の特定と適切な治療が行われます。

経皮毒は、適切な知識と予防措置があれば、多くの場合防ぐことができます。化学物質を扱う際は、必ず使用上の注意を確認し、適切な保護具を使用することが重要です。また、不明な物質に触れることは避け、万が一皮膚に付着した場合は、すぐに洗い流し、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

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