アラブ首長国連邦(UAE)、特にドバイは、その経済的繁栄と国際的な環境から、多くの日本人にとって魅力的な移住先となっています。しかし、UAEでの長期滞在や永住権取得には、特有の規則や手続きがあります。本記事では、日本人がドバイで生活するために必要なビザや、永住権取得の方法について詳しく解説します。
1. 短期滞在ビザ
日本国籍保持者は、UAEに入国する際に30日間の短期滞在ビザが自動的に発行されます。これは観光や短期のビジネス目的に適していますが、長期滞在や就労には別途ビザが必要です。
2. 就労ビザ(Employment Visa)
ドバイで働く場合、雇用主がスポンサーとなって就労ビザを取得する必要があります。通常2年間有効で、更新可能です。必要書類には、雇用契約書、パスポートのコピー、証明写真などがあります。就労ビザ取得後、UAEのIDカードである Emirates ID も発行されます。
3. 投資家ビザ(Investor Visa)
ドバイで会社を設立する場合、投資家ビザを取得できます。必要な投資額や条件は事業の種類によって異なりますが、一般的に最低資本金や事務所の賃貸契約などが求められます。有効期間は通常3年で、更新可能です。
4. 不動産投資家ビザ(Property Investor Visa)
200万ディルハム(約6,000万円)以上の不動産を購入すると、3年間有効の不動産投資家ビザが取得できます。この金額が500万ディルハム(約1.5億円)以上の場合、5年間のビザが発行されます。このビザは家族にも適用可能です。
5. リタイアメントビザ
55歳以上の方を対象に、5年間有効のリタイアメントビザが用意されています。月収2万ディルハム(約60万円)以上、または200万ディルハム(約6,000万円)以上の貯蓄、あるいは200万ディルハム以上の不動産所有が条件となります。
6. ゴールデンビザ(10年ビザ)
特定の専門職や投資家向けに、10年間有効のゴールデンビザが導入されました。対象者には、医師、エンジニア、科学者、芸術家などの専門家や、一定額以上の投資家が含まれます。条件を満たせば、家族も同様のビザを取得できます。
7. 永住権について
UAEでは従来、外国人に対する永住権制度は存在しませんでしたが、2019年に「ゴールデンカード」と呼ばれる永住権に近い制度が導入されました。これは特定の投資家や専門家を対象とし、10年間の長期滞在を可能にします。ただし、一般の就労者や学生が取得するのは難しい状況です。
ビザ・永住権取得の注意点
UAEのビザ制度は頻繁に変更されることがあるため、最新の情報を確認することが重要です。また、ビザの種類によって必要書類や手続きが異なるため、事前に十分な準備が必要です。特に、アラビア語への翻訳や書類の認証が求められる場合があるので注意が必要です。
ドバイでの生活を検討している日本人の皆さんにとって、適切なビザを取得することは重要な第一歩です。自身の状況や目的に合ったビザを選択し、必要な条件を満たすことで、ドバイでの新しい生活をスムーズにスタートすることができます。ビザ申請の際は、UAEの公式機関や信頼できる法律事務所に相談することをおすすめします。ドバイでの新しい人生が、実り多きものになることを願っています。