スペインのデジタルノマドビザ申請の流れと必要書類 - HAPIVERI

スペインのデジタルノマドビザ申請の流れと必要書類

スペインデジタルノマドビザの申請準備

スペインデジタルノマドビザの申請準備

スペインのデジタルノマドビザ(正式名称:ビザ・デ・ノマダス・デジタレス)は、2022年に導入された比較的新しい制度です。このビザは、リモートワークで収入を得ながらスペインに長期滞在したい外国人に向けたもので、最長1年間の滞在が可能となります。その後、条件を満たせば最長5年まで延長できる居住許可証に切り替えることも可能です。

申請準備の第一歩は、自身がビザの基本要件を満たしているかを確認することです。主に、安定した収入源を持つリモートワーカーであること、スペイン国外の企業や顧客から収入の大部分(80%以上)を得ていること、そして専門的なスキルや学位を持っていることが求められます。これらの条件を満たしていることを証明できる書類を集めることから始めましょう。

申請前には、スペイン大使館やビザ申請センターの公式ウェブサイトで最新情報を確認することをお勧めします。制度が比較的新しいため、要件が更新される可能性があります。また、申請手続きは在日スペイン大使館または総領事館で行いますので、事前に予約が必要になることを念頭に置いてください。

必要書類の準備と申請手続き

必要書類の準備と申請手続き

デジタルノマドビザの申請に必要な書類は多岐にわたります。まず、有効期限が6ヶ月以上残っているパスポートが必要です。また、申請書(Modelo EX-01またはEX-11)に必要事項を記入し、パスポートサイズの写真を用意します。犯罪経歴証明書も必要で、これは過去5年間に居住したすべての国で取得する必要があります。日本の場合は、警察署で「無犯罪証明書」を取得し、その後アポスティーユ認証を受けなければなりません。

健康保険の証明も重要です。スペイン滞在中をカバーする民間の健康保険に加入する必要があります。保険は少なくとも10万ユーロの補償が必要で、帰国時の移送費用もカバーされていることが条件です。日本の国民健康保険ではこれらの条件を満たさないため、国際的な健康保険に加入することをお勧めします。

経済的自立を証明する書類も必要です。これには、過去3ヶ月分の銀行取引明細書、雇用契約書や自営業の場合は顧客との契約書、確定申告書などが含まれます。月収が最低賃金の2倍以上(約2,000ユーロ以上)あることを証明できる書類を用意しましょう。また、スペインでの滞在先を証明する書類も必要になります。これには、賃貸契約書やホテル予約確認書などが含まれます。

すべての書類は原則としてスペイン語に翻訳し、公証人による認証を受ける必要があります。また、書類によってはアポスティーユ認証も必要です。これらの準備には時間がかかるため、余裕を持って準備することをお勧めします。

申請後の手続きと審査期間

申請後の手続きと審査期間

必要書類をすべて準備したら、在日スペイン大使館または総領事館に予約を取り、申請を行います。申請時には、申請料(約80ユーロ)を支払う必要があります。申請書類は受理された後、スペイン移民局(Extranjería)に送られ、そこで審査が行われます。

審査期間は通常1ヶ月から3ヶ月程度ですが、申請時期や書類の完全性によって異なります。審査中は定期的に申請状況を確認することをお勧めします。大使館や総領事館のウェブサイトで申請状況を追跡できるシステムが提供されていることもあります。

審査結果が出た後、許可が下りれば、スペイン入国用のビザが発行されます。このビザを使ってスペインに入国し、入国後1ヶ月以内に最寄りの外国人事務所(Oficina de Extranjería)または警察署で居住カード(TIE: Tarjeta de Identidad de Extranjero)の申請を行う必要があります。居住カードの取得には、指紋採取などの生体認証情報の登録が必要です。

スペイン入国後、居住地での手続きも忘れずに行いましょう。市役所での住民登録(Empadronamiento)は、銀行口座開設や健康保険の加入など、スペインでの生活に必要な手続きの基礎となります。また、NIE(外国人識別番号)の取得も必要です。これはスペインでの税務手続きや契約締結に必要となります。

ビザ取得後の生活とワークスタイル

ビザ取得後の生活とワークスタイル

デジタルノマドビザを取得したら、スペインでのリモートワーク生活が始まります。スペインは時差の関係で、日本との業務連携がしやすい環境です。日本が夜の時間帯でも、スペインでは午後の仕事時間に対応できるため、リアルタイムコミュニケーションが取りやすいといえます。

スペインには多くのコワーキングスペースがあり、特にバルセロナ、マドリード、バレンシアなどの大都市では充実しています。また、カナリア諸島やバレアレス諸島など、美しい島々でのリモートワークも人気です。これらの地域ではデジタルノマド向けのコミュニティも発達しており、ネットワーキングの機会も豊富です。

スペインでの生活を始める際は、銀行口座の開設が必要になります。多くの銀行ではオンラインでの口座開設が可能ですが、NIEと住民登録が必要になることがほとんどです。また、税金の申告も忘れずに行いましょう。スペインに183日以上滞在する場合は、スペインでの税務上の居住者となり、世界中の収入に対してスペインで税金を納める必要があります。ただし、日本とスペインの間には二重課税防止条約が締結されているため、同じ収入に対して二重に課税されることはありません。

スペインでのデジタルノマド生活を充実させるためには、スペイン語の基本的な知識があると便利です。大都市では英語が通じることも多いですが、小さな町や日常生活では現地語が必要になる場面が多々あります。また、スペインの文化や習慣に敬意を払い、地域コミュニティに溶け込む努力をすることで、より豊かな経験ができるでしょう。

最後に、ビザの更新や居住許可への切り替えについても計画しておくことをお勧めします。1年間のビザ期間が満了する前に、必要な書類を準備し、更新または居住許可への切り替え手続きを行いましょう。要件を満たし続けていれば、最長5年まで滞在を延長することが可能です。

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