台湾デジタルノマドビザの概要と申請方法 - HAPIVERI

台湾デジタルノマドビザの概要と申請方法

台湾デジタルノマドビザとは

台湾デジタルノマドビザとは

台湾は2023年に「就業金卡デジタルノマドプログラム」という新たな滞在資格制度を導入しました。この制度は正式には「就業金卡(Employment Gold Card)」の枠組みの中に「リモートワーク」という新たな適格基準を追加したものです。これにより、世界中のリモートワーカーやフリーランスが最長3年間、台湾に滞在しながら海外の雇用主や顧客のために働くことが可能になりました。

この制度が注目される理由は、単なる短期滞在ビザとは異なり、就業金卡は「ビザ」「居留証」「就労許可証」「再入国許可」の4つの機能を一枚のカードに統合した包括的な滞在資格である点です。これにより、繰り返しビザを申請することなく、最大3年間の長期滞在が可能となります。また、更新も可能であり、条件を満たせば継続して台湾での生活を維持できます。

このプログラムの主な対象者は、物理的な場所に縛られずに仕事ができるデジタルワーカーです。プログラマー、ウェブデザイナー、コンテンツクリエイター、オンラインマーケター、コンサルタント、翻訳者など、インターネットを通じて仕事ができる専門家が想定されています。特に重要なのは、台湾国外の雇用主や顧客から収入を得ていることが条件となる点です。台湾国内の企業や個人から主な収入を得る場合は、別の就労ビザが必要となります。

デジタルノマドプログラムの大きな特徴として、申請者本人だけでなく、配偶者や18歳未満の子どもも同時に台湾へ移住できる点が挙げられます。家族全員が同じ期間、台湾での滞在許可を得ることができるため、家族での移住も視野に入れることができます。また、台湾の公的健康保険(全民健康保険)にも加入資格があり、世界的に評価の高い台湾の医療サービスを比較的低コストで利用できる点も魅力の一つです。

申請資格と必要条件

申請資格と必要条件

台湾のデジタルノマドビザ(就業金卡)を申請するには、いくつかの重要な条件を満たす必要があります。まず、申請者は過去3年間に年間平均収入が台湾元(TWD)で約160万元(約750万円)以上あることを証明できなければなりません。この収入基準は台湾の経済状況に合わせて調整される可能性があるため、申請時に最新の基準を確認することが重要です。

次に、申請者は少なくとも5年間の関連職種での実務経験があること、または国際的に認められた専門的な資格や学位を持っていることが求められます。例えば、情報技術、デザイン、マーケティング、コンサルティングなどの分野での実務経験や、それらの分野での学士号以上の学位が該当します。特に、台湾政府が推進する産業分野(ICT、バイオテクノロジー、再生可能エネルギーなど)に関連する専門知識を持つ申請者は優遇される傾向があります。

申請者の勤務形態については、海外の雇用主との正式な雇用契約を持つ従業員であるか、海外のクライアントと契約を結んでいるフリーランスであることが求められます。いずれの場合も、収入源が主に台湾外にあることが重要です。また、申請者は台湾滞在中も現在の仕事を継続できることを示す必要があります。

健康要件として、多くの国際的な移住プログラムと同様に、伝染病や公衆衛生上のリスクとなる疾患に罹患していないことが条件となります。また、犯罪歴がないことを証明する犯罪経歴証明書(無犯罪証明書)の提出も必要です。さらに、台湾滞在中の生活を支えるための十分な資金があることを証明するために、銀行残高証明書などの提出が求められることもあります。

申請書類の準備方法

申請書類の準備方法

台湾デジタルノマドビザ(就業金卡)の申請には、複数の重要書類を準備する必要があります。まず、台湾政府の公式オンラインポータル「就業金卡申請プラットフォーム(Employment Gold Card Platform)」からアカウントを作成し、オンライン申請フォームに必要事項を入力します。申請は英語または中国語で行うことができますが、書類によっては公式翻訳が必要な場合もあります。

収入証明は申請の核となる書類です。過去3年間の平均年収が基準額(約750万円)以上であることを証明するために、納税証明書、確定申告書、給与明細書、または雇用契約書のコピーを準備します。フリーランスの場合は、クライアントとの契約書や請求書のコピー、銀行取引明細なども有効です。これらの書類は通常、申請者の出身国の関連機関(日本の場合は税務署など)から取得できます。

専門的な資格や経験を証明するための書類も重要です。学位証明書、専門資格証明書、職務経歴書(レジュメ)を用意します。特に、5年以上の関連職務経験を証明するために、過去の雇用主からの推薦状や雇用証明書があると有利です。現在の雇用状況を証明するために、現在の雇用主からのリモートワーク許可証明書や、フリーランスの場合は進行中のプロジェクトや継続的な仕事の受注を示す書類も必要です。

これらに加えて、有効なパスポート(有効期限が6ヶ月以上残っているもの)のコピー、パスポートサイズの写真(背景白、6ヶ月以内に撮影されたもの)、犯罪経歴証明書(発行から6ヶ月以内のもの)も準備します。すべての書類はデジタルスキャンして申請ポータルにアップロードする必要があるため、高品質なスキャン画像を準備してください。英語または中国語以外の言語で書かれた書類には、公認翻訳者による翻訳が必要な場合があります。

申請から取得までの流れ

申請から取得までの流れ

台湾デジタルノマドビザ(就業金卡)の申請から取得までのプロセスは、オンラインでの申請を中心に進められます。まず、台湾政府の公式ウェブサイト「就業金卡申請プラットフォーム」にアクセスし、アカウントを作成します。このプラットフォームは英語と中国語で利用可能で、ユーザーフレンドリーなインターフェースが特徴です。アカウント作成後、基本情報を入力し、申請カテゴリーとして「リモートワーク」を選択します。

次に、必要書類をすべてスキャンしてアップロードします。書類のアップロード後、申請手数料を支払います。手数料は約1,000〜2,000台湾元(約4,500〜9,000円)程度ですが、金額は変更される可能性があるため、申請時に確認してください。クレジットカードによるオンライン決済が一般的です。

申請書類のアップロードと手数料の支払いが完了すると、審査プロセスが始まります。審査は主に4つの段階で行われます。まず国家発展委員会が申請を受理し、書類の不備がないかを確認します。次に、専門性と収入要件について、関連する政府機関による評価が行われます。続いて、内政部移民署が身元審査を行い、最後に外交部領事事務局がビザ関連の審査を担当します。

審査には通常、申請から30〜60日程度かかります。この間、申請状況はオンラインプラットフォームで確認できます。追加書類が求められた場合は、速やかに対応することが重要です。審査が無事に通過すると、承認通知がメールで送られてきます。承認後、就業金卡の発行手数料(約4,000台湾元、約18,000円程度)を支払い、カードの受け取り方法を選択します。

就業金卡を取得したら、台湾入国後14日以内に最寄りの戸政事務所で居住地登録を行う必要があります。また、台湾に183日以上滞在する予定がある場合は、全民健康保険への加入手続きも必要です。これは入国後6ヶ月経過後に可能となります。就業金卡の有効期限は発行日から最長3年間で、期限が近づいたら更新申請を行うことができます。

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