クロアチアでデジタルノマドビザで生活する上での日本人特有の注意点と家族帯同

クロアチアでデジタルノマドビザで生活する上での日本人特有の注意点と家族帯同

クロアチアのデジタルノマドビザは日本人にとって魅力的な選択肢

クロアチアのデジタルノマドビザは日本人にとって魅力的な選択肢

美しいアドリア海の景色、豊かな文化遺産、そして比較的安価な生活コストが魅力のクロアチア。2021年から始まったデジタルノマドビザ制度は、リモートワークで働く日本人にとって絶好の機会となっています。クロアチアのデジタルノマドビザは2021年からスタートした制度で、クロアチア以外の雇用主からリモートワークで仕事をしている人なら応募でき、最大1年間の滞在が認められます。

特筆すべきは、2024年の申請データによれば、日本人の申請者の中で却下された例は0件であるという点です。要件を満たしていれば承認される可能性が非常に高く、日本人にとって取得しやすいビザであることがわかります。また、クロアチアのデジタルノマド「ビザ」は正式には「一時滞在許可」という位置づけになっているため、入国後に申請することになります。

日本人がクロアチアを選ぶ利点として、クロアチアは物価が安く、EU加盟国でありながら他のヨーロッパ諸国と比べて収入要件のハードルが圧倒的に低いことが挙げられます。さらに、2023年1月からシェンゲン協定に加盟したため、ビザ保持者はEU圏内の他国へも自由に移動できるようになりました。

日本人特有の注意点と申請準備の重要性

日本人特有の注意点と申請準備の重要性

デジタルノマドビザを取得するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。まず、月収が2,365ユーロ程度あることを証明するか、28,385ユーロ以上の銀行残高の証明が必要です。この金額は日本の収入水準からすると達成しやすい金額ですが、証明方法には注意が必要です。

日本人特有の注意点として、所得を証明する文書は、経営者、個人事業主、会社員など立場によって提出するものが異なってくることに留意しましょう。フリーランスの場合は確定申告書や契約書、会社員の場合は雇用主からの証明書が必要となります。これらの書類は英語またはクロアチア語での提出が求められるため、書類等はクロアチア語または英語で提出する必要があります。

また、日本の犯罪経歴証明書の取得には時間がかかるという問題があります。日本の犯罪経歴証明書は、在クロアチア日本国大使館で申請することもできるが、証明書がお手元に届くまでに2~3か月を要するため、クロアチアへ渡航する前に、住民登録をしている都道府県の警察本部にて取得することをお勧めします。さらに、犯罪経歴証明書にはアポスティーユが付されていることが求められますので、併せて外務省に申請してください。

健康保険の加入も必須条件です。滞在期間中、クロアチアで有効な健康保険に加入している必要があります。日本の国民健康保険は海外では適用されないため、滞在期間をカバーする海外旅行保険や国際健康保険への加入が必要になります。

家族帯同のポイントと必要経費

家族帯同のポイントと必要経費

家族を同伴してクロアチアで生活したい場合には、追加の要件があります。家族を同伴する場合は、月収の銀行明細書により、月90ユーロの余剰があることを証明する必要があります。つまり、家族一人につき、追加で月90ユーロの収入があることを示さなければなりません。

また、家族が1名追加になる度に、基準となる金額の10%が追加で必要になります。これは、クロアチア政府が家族全員が安定して生活できる経済力を持っているかを確認するためです。

家族帯同の場合の申請手続きについては、家族の再統合の申請方法や申請書の記入例を参考にすると良いでしょう。また、家族全員分の健康保険証明や犯罪経歴証明書も必要になるため、事前に準備しておくことが重要です。

滞在先の住所についても考慮が必要です。クロアチアでの一時的な住所として、クロアチアの家主との予約確認書または賃貸契約書を提出することにより、クロアチアでの宿泊先を確保したことを証明する必要があります。家族で滞在する場合は、全員が生活できる十分な広さの住居を確保しておく必要があります。

クロアチアでの生活と将来的な展望

クロアチアでの生活と将来的な展望

クロアチアでのデジタルノマドビザを利用した生活には、いくつかの特徴があります。まず、クロアチアの法律では、デジタルノマドの国外(日本等)由来の給与収入や役員報酬に関しては、クロアチアで納税する必要はありません。つまり、日本の企業から受け取る給与は税制上有利に扱われます。

しかし、長期的な視点では制限もあります。ビザの更新は認められず、永住権などに繋がる道も用意されていません。最大滞在期間は1年間で、デジタルノマドビザ許可で12ヶ月の滞在後、再度申請するには一度出国してから6か月後に再申請が可能になります。

日本人にとって特筆すべき点として、クロアチアに観光で3ヶ月滞在したのち、デジタルノマドビザ許可で12ヶ月の合計15ヶ月間、一度に滞在できることが挙げられます。これは、まずシェンゲン圏の観光ビザ免除で入国し、その後デジタルノマドビザに切り替えるという方法です。

クロアチアでの生活を検討している日本人は、2025年中頃にETIAS(ヨーロッパ渡航情報・認証システム)が導入予定という点にも注意が必要です。これにより、短期滞在でも事前申請が必須になります。

クロアチアでのデジタルノマドビザを利用した生活は、EU圏内への自由な移動、美しい自然環境、比較的低い生活コストという多くのメリットがあります。日本人にとって、ヨーロッパでのリモートワークを経験する絶好の機会と言えるでしょう。

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